なぜ、しつこく「階段を上りましょう」と言うのか。
それは、特に意識しなくてもできる「運動」だからです。スポーツが好きならそれを楽しめばいいと思いますが、そうでない人にとっては「運動しましょう」と言われても億劫なだけです。それよりも、日常生活でいつの間にか体をつかっている、という状況になるのがいいのです。
例えば、通勤や通学で駅まで歩く、駅の階段を上る、自宅がエレベーターのないマンションの3階で外出すれば必ず上り下りがある、といったシチュエーションになっていると、どうやったって自分の足を動かさざるを得ません。
ちょっとした坂道ですぐに足が筋肉痛になってしまう患者さんがいらしたことがありますが、自宅はアパートの1階、会社もビルの1階、通勤はバス、といった具合で日常的に階段や坂道を上るということがまったくない方でした(あえて言えばバスのステップ2段だけ)。「え、あそこで筋肉痛?」というくらいの緩い坂道でも負担になるようでした。
一方、部屋が2階にあるという人は高齢になっても足が衰えにくいのです。私の伯母は98歳でまだ元気ですが、部屋が2階にあり、一日のうち何回も上り下りするそうです。高齢になっても足が丈夫なうちは1階の部屋にしない方がいいのですね。
ちょっとしたことに思えますが、そういう日々の積み重ねが足を丈夫にしたり衰えさせたりするのです。
・・・というわけで、階段を見たら筋トレのチャンス!と思って上るようになって欲しいなあ、と思っているのです。
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